坐骨神経痛│身体の硬さ・痛みの専門 なかむら鍼灸院長浜 NK整体院長浜

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坐骨神経痛について│なかむら鍼灸院長浜整体院

Ⅰ、坐骨神経とは

坐骨神経は脊髄髄節から伸びている末梢神経のひとつである。末梢神経は脊髄と全身の体の筋肉の連絡を受け持ち、全身の運動を制御している。
そのうち腰から骨盤、お尻を通って足先にまで伸びているのが坐骨神経と呼ばれる神経で、人体の中で最大の神経でペン軸ほどの太さがある。また、非常に長さの長い神経で、抹消までの長さは1m以上もある。
臀部から太もものうしろがわを通って膝の近くで、すねの方とふくらはぎの方と二またに別れて走行し、足の甲と足の裏に続いている。具体的には、坐骨神経は腰椎の4、5番目の神経と1~3番目の仙骨の前面から出る神経の束が合わさり、梨状筋(お尻の筋)の下から大腿の後ろの面を通り、膝の裏の上(大腿の下3分の1の高さ)で総腓骨神経と脛骨神経の前後とに分かれて走行している。
また坐骨神経は皮膚に近い位置を走っているのが特徴で、皮膚に近いという事は坐骨神経は、圧迫を受けた際の影響が出やすいという意味でもある。
つまり、坐骨神経痛は、神経が腰椎の隙間から出て骨盤をくぐり抜け、お尻の筋肉から顔を出す間のどこかで、圧迫や絞扼などの障害を受けた為に発症すると言える。
そして、歩いたり転ばないようにバランスをとったりするためにも、脳(中枢)から脊髄を通り、下肢の動きに関してはこの坐骨神経(末梢神経)に無意識に指令が出ているといわれている。

Ⅱ、坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、「症状」の表現であり、病名ではない。
「坐骨神経痛」の名前が示すとおり、坐骨神経が圧迫されることによって生じる「神経痛」を総称して坐骨神経痛と言う。臀部から大腿後面にかけて鋭い痛みを自覚する“症状”であり、“病名”ではない。
整形外科外来で坐骨神経痛を訴える患者さんは、主に腰椎疾患の症状として、腰痛の次に多く見られるが、その原因となる疾患は様々である。

坐骨神経痛は末梢神経のなかで最も太く長い神経で、第4、5腰神経と第1~3仙骨神経からなり、梨状筋の下を通って大腿後面を下行し、膝の裏で総腓骨神経と脛骨神経に分かれる。
つまり、坐骨神経痛は、神経が腰椎の隙間から出て骨盤をくぐり抜け、お尻の筋肉から顔を出す間のどこかで、圧迫や絞扼などの障害を受けた為に発症すると考えられている。大腿後面から足部にかけての広い範囲の運動と知覚を支配しているために、この神経が障害されると、片側の臀部、大腿(太もも)の後面、ふくらはぎが痛み、かかとやくるぶしのほうまで痛みが響くことがある。
また、症状が深刻になると、脚の痺れが徐々に下まで伸びていき、脚の指先まで痺れるケースも出てくる。
坐骨神経は、臀部、太ももの裏など、下半身の後ろを通っているため臀部から足の指の範囲に症状が出ることが多い。
また、天候などによっても症状が不規則に変化するという特徴も持っている。坐骨神経痛が、ぎっくり腰やヘルニア以上に「厄介」だとされるのはその痛みの特徴にある。具体的には、これらのものである。

  • 激痛もあるが、比較的鈍痛が多い
  • 痺れ、痛みは限定的な動作に伴う
  • 常に不快な思いが伴う

坐骨神経痛は、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアのように極端な激痛が襲ってくることがあまりないことや、我慢できない痛みではないという症状が、坐骨神経痛を負っている人を病院から遠ざけ、限定的な動きをした時だけ、痺れたり何だか気持ち悪い感覚が続くといったような症状だからこそ逆に油断してしまい、専門家での診察を遅らせ症状を悪化させてしまうといったような悪循環をもつくってしまうこともある。
また、坐骨神経痛は筋肉・骨の強度が衰えてくる中高年の世代に最も多く発症する症状だが若い世代の人の発症も少なくはない。

Ⅲ、原因は坐骨神経が刺激、圧迫、浸潤されておこる

腰部には種々の疾患があるが、多いのは椎間板ヘルニア、脊椎腫瘍(ガンなど)、脊柱間狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、腰部変形性脊椎症などで、神経が刺激、圧迫、浸潤されて起こる。また、帯状疱疹、糖尿病、慢性アルコール中毒症などが原因になることもある。
年齢により異なりますが、若い人の場合、最も多いのは、腰椎椎間板ヘルニア、次に梨状筋症候群が挙げられる。

腰椎椎間板ヘルニアは比較的急激には発症し、ラセーグ徴候といって、仰向けの状態で下肢を伸展挙上すると、坐骨神経痛が増強するのが特徴的である。

ほとんどの場合、片側の坐骨神経痛が出現するが、ヘルニアの位置や大きさにより両側に見られることもある。

梨状筋症候群は比較的緩徐に発生し、通常はラセーグ徴候が陰性となる。梨状筋間で坐骨神経が絞扼され、仕事や運動でストレスが加わり発症することが多いようである。比較的稀な疾患とされているが、約10%の頻度で坐骨神経のバリエーションが存在することから、見過ごされていることも少なくないと思われる。

一方、高齢者では変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などの変形疾患に多く見られ、また、帯状疱疹により坐骨神経痛を発症する場合もある。その他、年齢に関係なく特殊な疾患として、脊髄腫瘍や骨盤内腫瘍などが挙げられる。

こういった腫瘍性の病変で坐骨神経痛を発症する場合は、痛みが非常に強く、保存的治療で治りにくいのが特徴である。

坐骨神経痛の原因は年齢により異なるが、比較的多いのがぎっくり腰から腰痛が慢性化したもの、次に梨状筋症候群が挙げられる。梨状筋は股関節を足先を外に向けさせる働きがあり、仙骨から足の付け根に付いている。

この梨状筋が炎症もしくは過度の緊張状態になると、その下を通る坐骨神経を圧迫して神経の走行に沿って痛みが出る。

脊柱管狭窄症とは腰椎が老化などにより変形し、脊柱管が狭くなって神経を圧迫し痛みが現れる。

主な特徴は“間欠性跛行”という症状で、数分の歩行で両足又は、片足全体に痛みやしびれなどが出現するが、しばらく休息をとると再び歩行ができるようになる。

また帯状疱疹(一度水痘になると、例え水痘が治癒しても水痘のウイルスが神経節の中に潜伏している状態が続き、ストレスや心労、老齢、抗がん剤治療・日光等の刺激によって再活性化すること)により坐骨神経痛を発症する場合もある。
最近、増えてきているのが椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛である。これは腰椎の椎骨の間にある椎間板(衝撃吸収材)が限界を超えてしまい、外に飛び出してしまった状態(ヘルニア)を指す。
飛び出た椎間板が脊椎に走る神経束を圧迫してしまい、結果的に圧迫された神経に対応する部分が痺れてしまい、つまりは直接の痛みの原因となる。ヘルニアが長期的に神経根を圧迫してしまうと、やがて炎症を起こし神経根状態になってしまう。
そして、神経根炎が長期に渡ると周辺の繊維化や癒着が起こり、変性した神経組織は元の状態に回復することが不可能になる。

Ⅳ、坐骨神経痛に関わる主な疾患

坐骨神経痛に関わる主な疾患
  • 椎間板ヘルニア
    坐骨神経痛の起因疾患として最も有名な疾患である。。発症年齢は20歳代が最も多く、大部分は40歳代までで、50歳以上の発症は数%に過ぎない。
    椎間板は背骨を構成している椎骨の間にあり、体への衝撃を吸収するという重要な役割がある。椎間板は弾力性があり、負荷によってはみ出してしまうことがある。この時、神経が刺激されると、坐骨神経の通っている範囲に症状が出てくる。椎間板の繊維輪の一部に断裂があり、変性した髄核が脊柱管内や椎間孔内に侵入し、神経根を圧迫して発症する。ヘルニアが好発する高位はL₄₋L₅・L₅₋Sのダブルヘルニアであると言われている
    診断
    SLR(下肢伸展挙上テスト)陽性率90~98%
    知覚鈍麻 約90%
    ATR(アキレス腱反射)65~85% 減弱・消失
  • 脊柱管狭窄症
    神経が通っている背骨の中央にあるトンネルが、老化などによって狭くなってしまうことで症状が出てくる。中年以降の患者で、下肢の神経痛とともに間欠性跛行が認められるものは脊柱管狭窄症の可能性が高い。
    長時間歩いていると、腰の痛み、足の方へ痛みやしびれ、つっぱり感が出るようになり、休憩を入れなければ足が前に出なくなることもある。また、頚椎の部分が誘引の場合もあり、腕に症状が出ることもある。
    本症は加齢に基づく退行性変化によって、脊柱管周辺の骨組織の変形や軟部組織の肥厚が、神経根や馬尾神経を圧迫し発症する。臨床症状は腰痛、下肢痛、しびれ感、脱力感および特有の間欠性跛行である。間欠性跛行は数10mから数100mの歩行で疼痛や脱力のため歩行困難または不能となり、前屈位での休息で直ちに症状の緩解が得られるという特徴があり、動脈性間欠性跛行に対して(馬尾神経性間欠性跛行)と呼ばれている。
    診断
    本症と椎間板ヘルニアとの鑑別点は、年齢、間欠性跛行の有無、SLRの陽性率などである。椎間板ヘルニアは「若年層に多く、SLRの陽性率が高いのに対し、本症は主として中高年以上に好発し、間欠性跛行を認めるが、SLRの陽性率は極めて低い。その他膀胱・直腸障害や性能力低下などの症状をみることもあるが、これらは重症の兆候である。

  • 腰椎の分離・すべり症
    腰椎の分離症は、腰の骨のある部分が切れてしまうことで、レントゲンで確認することができる。
    分離しているからといって、必ずしも腰痛などの症状があるとは限らない。
    しかし、問題なのは、この部分が不安定になった場合で、分離した状態では切れた部分から骨が前方へズレるようにすべってしまい、神経が刺激されことによって坐骨神経痛や脊柱管狭窄症の症状を起こすことになる。脊椎すべり症による下肢神経痛に発生頻度は少ないが、高度のすべり症では脊柱管狭窄症の症状や下肢痛を訴えることがある。
    本症では椎間関節の関節症性変化、椎間孔の狭小化、骨棘形成による椎間孔の変形、分離椎弓の異常可動、ヘルニアの合併などの病態を示し、これらの原因による神経根の刺激症状が腰痛、下肢神経痛、脊柱管狭窄症などを現す。
    症状は一般の坐骨神経痛と大差なく、腰痛、臀部痛、下肢しびれ感、大腿部痛および下腿部痛、下肢筋力低下などであるが、他覚所見としては下位腰椎部の階段変形が不可欠であり、また前彎増強の傾向が認められる。
    重症例では神経根や馬尾神経の圧迫症状として根性坐骨神経痛、排尿障害、間欠性跛行などを呈するが、このような症例ではむしろ脊椎すべり性脊柱管狭窄症の存在も考えられる。

  • 梨状筋症候群
    梨状筋(りじょうきん)は臀部にある筋肉で、スポーツや仕事などで腰や股関節などに負担がかかり続けると、坐骨神経を圧迫して坐骨神経痛の症状が現れる。梨状筋の筋膜炎や筋攣縮によって坐骨神経が圧迫され、坐骨神経痛の症状を現すものを「梨状筋症候群」または「坐骨神経の絞扼性神経症」と呼ぶ。
    女性に罹患率が高く、歩行中の捻り、重量物挙上時における股関節の外転、長時間の立位など軽微な誘因を認めることができる。
    診断
    臀部から下肢にかけての坐骨神経支配域に痛みを訴え、SLRやKボンネットテスト陽性となる。
    本症は椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症など腰椎起因の坐骨神経痛を除外する。

  • 変形性脊椎症
    加齢による椎間板の変性を基盤とし、椎体の変形、椎間関節の関節症性変化、靭帯の過緊張・肥厚などが重複し、神経根を絞扼して発症する下肢神経痛である。
    中高年層における腰痛、下肢神経痛、下肢のしびれ感、起床時痛、動作開始時痛、同一姿勢による愁訴の増悪などが主な症状で、多くは徐々に発症しSLRや神経学的所見など根性症状を認めることは少ない。
    診断
     梨状筋症候群の場合と同様、他の起因疾患を除外することが必要である。

  • 腫瘍
    背骨に癌が転移した場合や、年齢に関係なく脊髄腫瘍や骨盤内腫瘍などが挙げられ、腫瘍性の病変で坐骨神経痛を発症する場合は、痛みが非常に強く保存的治療で治りにくいのが特徴である。

  • カルシウム不足によるもの
    人間の体は副甲状腺ホルモンの働きを使って骨からカルシウムを取り出し、血液中のカルシウム濃度を維持しようとする。この時、筋肉細胞中のカルシウムイオン濃度のバランスが崩れ筋肉の異常収縮・異常緊張が起こる。
    慢性的な異常緊張は、骨格筋周辺の抹消神経を圧迫して傷つけ、肩こり・腰痛・坐骨神経痛の原因をつくる。

Ⅴ、坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛の症状を感じる代表的な場所は、「お尻、太ももの裏・すね・ふくらはぎ」があるが、どこか一部分だけに坐骨神経痛症状を強く感じるケースもあれば、足に激痛が走り足全体に坐骨神経痛症状を強く感じるケースもある。
坐骨神経痛とそれに伴う主な症状としては、これらが挙げられる。

  1. 腰の痛み、臀部の痛み
  2. 太ももの裏、足へかけての痛み、しびれ
  3. 体を動かすと痛みやしびれが悪化する
  4. 痛みのため歩行が困難になる
  5. 足に力が入らなくなる
  6. 足の筋肉が左右で差が出てくる

上記を見てもわかるように、坐骨神経はとても長い神経であるため、広範囲に症状を出す可能性があり、とても重要であることが言える。 この坐骨神経がどの部分で障害されるかにより、症状の出る範囲や症状も違うが、坐骨神経痛が起きている場合、腰部やお尻などに筋肉の緊張がみられるケースも多く、坐骨神経痛に併せて不快な症状を感じる場合もある。
ほとんどの場合は、片側のお尻や下肢に痛みやしびれが出るが、両側に症状が出て悪化すると肛門周囲へしびれが生じたり、排尿障害になることもある。
また、坐骨神経痛の症状は、坐骨神経痛の名の通り”痛み”として感じる事が多いが、坐骨神経痛による症状を痛みでなく、痺れ・熱感・冷感、引きつれで感じる事がある。そのため、坐骨神経痛症状が原因だと気が付かない事もある。
(例:なかなか治らない、筋肉痛による”足の引きつれ”だと思っていたが坐骨神経痛症状だった。)
足の冷え、特に片側のみの足の冷えや、くるぶしの一部だけ冷える、いくら冷えを感じるところを温めても足の冷えが取れないという症状も、坐骨神経痛症状であると考えられる。

Ⅵ、坐骨神経痛の判断基準

坐骨神経痛の判断基準

「「私は坐骨神経痛です。」という人に、痛み方や、痛い場所を聞いてみると、全員の症状が一致しないことがある。
これは「坐骨神経痛」の解釈が人それぞれ違うためのようであるが、下半身に痛みやしびれ、違和感があるという部分は一致しているようである。
それを踏まえて、自覚する症状また判断基準としては以下の例に身に覚えがある場合、発症している恐れがあるのでチェックする。

  1. お尻から足にかけて激しく痛んだことがある
  2. 何年も前から時々背部に痛みを感じることがある
  3. 便秘に苦しんでいる
  4. 腰部に痛みが長期間続いたことがある
  5. 重い物を持ち上げると、おしりに痛みを感じたことがある
  6. 長時間立っていたり、座っていると腰部が痛くなる
  7. 長時間歩くと腰背部が痛くなる
  8. 咳やクシャミをすると腰背部がひどく激しく痛くなる
  9. 寝ている時、腰背部が痛くなり姿勢を変えずにはいられない
  10. 朝起きたとき腰背部がひどく痛くなる
  11. 1日の終わりに足がひどく痛くなる

また、上記以外の坐骨神経痛の判断基準となりそうな性質としては、坐骨神経痛の中で神経痛が出ている足は、疼痛性の跛行(はこう)といってひきずるような歩行をしたり、痛みのある側は血行が悪い為に冷えが生じて冷たくなることも挙げられる。痛みが長期間に及ぶと合併症として、お尻の筋肉が萎縮する人もいる。

坐骨神経痛股関節炎
  1. 坐骨神経の経路に沿って起こる
  2. 発作性間代性疼痛である
  3. ワレ―氏の圧痛点がある
  4. 発赤、腫脹、発熱がない
  5. 官能的疾患である
  1. 股関節部に発する持続的疼痛
  2. 炎症性疼痛である
  3. 圧痛点がない
  4. 発赤、腫脹、発熱がある
  5. 器質的疾患である