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冷え症(feeling of cold)

Ⅰ、定義

冷え症とは、身体の特定の部位が特に冷たく感じる場合を言う。すなわち腰や足、手などの体のある部分だけが冷たく感じることである。
全身が冷たく感じるのは冷え症でなく、単に寒がりと言う。冷えを訴える部分に触ってみると、他の場所より2度以上低くなっていることが分かる。
冷え症は自律神経機能の失調が血管運動機能を障害し、冷感部位の毛細管の攣縮を起こし、患部の血行が妨げられ、その結果として冷たく感じると言われている。
自律神経失調症がどうして起こるのか明確な理由は判明していないが、ホルモンの変動や精神的な動揺が影響を与ええいることは判明している。
というのは、自律神経の中枢(司令部)もホルモンの中枢も脳の中の間脳視床下部にあり、互いに影響し合っているからである。
さらにここには、情動の中枢(喜怒哀楽と関係)や本能的欲求(食欲・睡眠など)の中枢なども位置し、精神的な影響を受け易いのである。
本来、婦人の約半数は存在するといわれ、その理由が上記と関係がある。
女性の体は排卵、月経というホルモンの変動を繰り返すため、その影響を受けて自律神経の働きも不安定になり易い。
特にホルモンのバランスが崩れやすい更年期や思春期には増加傾向がある。
また、閉経期に多く見られる。この時期は色々な不快な症状(自律神経失調症状)が現れるようになる。冷え症の女性は基礎体温を測っておくことも大切になる。
冬季に多いが、冷房機器の普及に従って夏季に、また職業的に見られるようになったが、その大部分は西洋医学的には治療の対象とならない生理的な範囲に属するものと考えられている。
治療の対象としているのは、貧血や血管障害のために起こる冷感の訴えである。
身体の特定の部分が特に冷たく感じる場合、自律神経機能の失調が血管運動機能を障害し、冷患部の毛細胞の攣縮を起こし、患部の血行が妨げられる。
冷え症は、身体の他の部分は、まったく冷たさを感じないような室温において、身体の特定部位のみが特に冷たく感じる場合で、腰部・足・下肢の順に多く、まれに手・腹・背部などにも見られる。

Ⅱ、病態生理

自律神経機能の失調が血管運動機能を障害し、毛細血管の攣縮を起こし、患部の血行が妨げられて冷たく感じると考えられている。
また、内分泌変動が自律神経中枢の機能失調を来たすことも考えられ、思春期、妊娠産褥期や更年期の時期によく見られる。
自律神経は、気温が上昇すると、体表の血管を広げて血流を良くし、体内の熱を体外に発散させる働きをし、逆に気温が下がれば、体表の血管を緊張させて血流を少なくし、熱の放散を防ぐ。緊張の度が過ぎ、血流を抑え込んでしまうと、熱の供給が不足して体表が冷たくなる一方、自律神経機能異常を認めない心因性の皮膚冷感異常も存在する。
本症には、貧血、低血圧を合併することが多く、その他、血行障害を惹気する疾患との鑑別が必要である。
また、ホルモンの病気や膠原病などもある。

  1. 貧血症
    顔面その他の皮膚あるいは眼瞼・口腔粘膜が蒼白、動悸、息切れなどの訴えによって貧血が疑われるが、最終的な診断は血液検査を行って決定する。
  2. レイノー病
    冷たい水に手を入れたりした時に手指が蒼白になり、痛みを伴うことを訴える。
    日常的に手指の冷感を訴え、触診して見ると冷たい感じがすることが多い。
  3. 大動脈炎症候群
    若い女性に多く、血管の閉塞化に伴う血流障害のため、手足の冷感を訴える。
    脈拍、血圧に左右差があり、色々な部位の動脈で血管雑音が聞かれる。
  4. バージャー病(ビュルガー病、閉塞性血栓血管炎)
    若年男子に好発し、日本人に特異的に多いといわれている。
    一次的に動脈炎が起こり、二次的に血栓を来たす。好発部位は下肢で間歇性跛行症を起こす。
  5. 甲状腺機能低下症
    全身倦怠、皮膚の乾燥、顔面は浮腫状で鞍鼻、口唇は厚く典型的な顔貌を示す。
    寒さに敏感で、言語緩慢、記憶力障害を伴う。

Ⅲ、診察

1、視診

口唇の色が冴えず、唇の周りから下顎にかけて血色が悪く、薄墨を塗ったように黒ずんで見え、顔色が冴えない。
体型的には痩せ型で無力性体質で、胃アトニーや胃下垂など胃腸の弱いものが多く、低血圧や貧血を伴う者は、ほとんど冷え症を訴える。
肥満型でも皮膚が白く柔らかく、筋肉に締まりがなく、浮腫性顔望を呈している場合は、冷え症であることが少なくない。また、皮膚の光沢が悪く、下腹部に手術痕があるようなものは、足腰の冷えを訴える場合が多い。

2、触診

左下腹部に瘀血といわれる特有の圧迫抵抗や硬結が触知されることがある。
また、弛緩傾向がみられ、手足は湿っぽく、油手、油足のものが多い。

3、問診

女性に多く、性腺ホルモン不足のため月経異常や子宮発育不全などの傾向のある者に、冷え症の愁訴を有するものが少なくない。家族の遺伝的体質傾向も参考になる。
骨盤内臓器に炎症性疾患がある場合、内部充血が促進されて皮膚の貧血を来たし、「下半身が水につかったような」「腰に風が吹き込むような」感じの冷えを、腰・下腹・下肢部に訴える者が多い。

4、検査

  1. 自律神経失調症:不定愁訴の有無をよく問診し、同時に自律神経機能検査を行う。
  2. 貧血症:末梢血液の血球算定を行う。
  3. レイノー病:手指のサーモグラフィを行う。
  4. 大動脈炎症候群:CRP(C反応性蛋白試験)などの炎症所見と血管像影検査が必要。
  5. その他

効果の良い症状

  • 不定愁訴の少ないもの
  • 自律神経機能の失調が血管運動機能を障害し、冷感部位の毛細管の攣縮を起こし、患部の血行が妨げられるもの。

効果の良くない症状

  • 不定愁訴が多いもの
  • 下腹部に手術痕があり、腹壁が弛緩しているもの
  • 心因性による冷えや、体力活性の低下によるもの。鉄欠乏性貧血・低血圧症などと合併している場合は効果が出にくい。また、レイノー病やバージャ病など原病の存在しているものでは期待できない。

Ⅳ、鍼灸治療

本症に対する治療法は現代医学ではほとんど見当たりませんが、鍼灸治療では卓効を奏する者が多い。
自律神経失調症による冷えに対しては、自律神経の安定を目標に行い、精神療法や自律神経訓練療法なども併用すると良い。その他の器質的疾患に対しては、現疾患の治療を基本とする。
すでに述べたように冷え症は、主訴以外の随伴症状として訴えられるもので、比較的慢性的な経過を示す症候名で、冷え症そのものを主訴として来院する患者はまれである。
そこで、鍼灸治療は冷えに対する局所的な対症治療のみでなく、漢方医学の概念に基づき、身体全体の機能を調整する本治法を主とし、冷えに対する特効穴を組み合わせて、それぞれの患者に合わせた治療方針を立てる。